独立行政法人
家畜改良センター鳥取牧場

家畜改良の推進、優良な種畜や飼料作物種苗の生産・供給等を通じて、
我が国の畜産の発展と国民の豊かな食生活に貢献することを使命としています。

細断型ロールベールでのトウモロコシサイレージ調整

 これまでトウモロコシのサイレージ調製は、サイロなどの施設を利用して貯蔵するのが一般的でした。しかし、炎天下での人手による詰め込み・密封など一連の収獲作業が重労働であり、また天候に左右されて作業が中断されると品質が安定しません。さらに、人手の確保、高齢化などが問題となってきました。
 こうした現状を解決する新技術として広く普及し始めたのが「細断型ロールベーラ」です。
 細断型ロールベーラは、従来より少人数で収獲調製作業が可能となり、踏圧等の作業が不要なことから省力化され、品質にバラツキのない安定した製品ができます。
トレンチサイロへの詰め込み作業の画像
トレンチサイロへの詰め込み作業
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細断型ロールベーラーによる梱包作業の画像
細断型ロールベーラーによる梱包作業
 1.作業方法
①ワンマン作業の画像
①ワンマン作業
②伴走作業の画像
②伴走作業
③定置積み込み作業の画像
③定置積み込み作業
ワンマン作業、伴走作業はノンストップであることから、高能率作業が期待できます。
 2.原料の水分含量及び切断長
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調製時の水分含量は、70%前後で梱包すると排汁ロスが少なく、より高品質サイレージに調製できます。
切断長は、10~13mm程度にすると梱包密度が高まり、2段積みを容易にします。(貯蔵場所が制限される場合に有効)
切断長が長いと芯の部分の残飼が多くなります。
 3.作業時の注意点
①伴走作業の場合、細断された原料をホッパー内に吹き込む際に、左右いずれかに偏って堆積されると歪な円形状にロール成形される場合があります。
②ほ場内でロール成形する場合、泥濘化した場所では土壌が付着し、品質低下の要因となるので、注意が必要です。また、包装する場合、切り株を事前にトラクターのタイヤでつぶす等により、フィルムの損傷を軽減できます。
 4.導入にあたってのメリット
①貯蔵施設が不要となります。
②ワンマン作業の場合、刈り取りから梱包と包装作業の2人で作業が可能となります。なお、梱包後2時間以内に包装すれば、品質に大きな差はありません。
③1日単位の作業から作業スケジュールの調整が柔軟に対応できます。
④他の長大作物(スーダングラス、ソルガム)などの梱包にも汎用可能です。

 5.サイロ貯蔵に比較してのメリット
①1ロール単位の成形・保管から天候の急変にも対応できます。
②踏圧作業が不要で、完全密閉なので、品質のバラツキが少ないです。
③必要量だけの開封から、2次発酵の心配がなくなります。
④若干の品質の低下はありますが、1年以上の長期保存ができるので通年給与が可能となります。
 6.デメリット
①梱包用ネットおよび包装用フィルムの経費がかかります。
②ワンマン、伴走作業において収獲ロスが3~5%程度あります。
③定置作業の場合、トラクター等の機動力が多く必要になり、作業終了時のロール成形できない原料等でロス(コンクリート床面)となります。
 7.新たな利用方法
サイロ貯蔵した製品を梱包・包装して再貯蔵することにより腐敗防止ができます。応用として、濃厚飼料や牧草類を混ぜたTMRとし、保管することが考えられます。
なお、水分が多い材料を長期保管した場合、水分が降下し、排汁としてにじみ出ることがあります。これを防止するためには、上下の向きを適宜入れ替えるようにします。
サイロより材料を搬出の画像
サイロより材料を搬出
材料をホッパーに投入の画像
材料をホッパーに投入
梱包された製品の画像
梱包された製品
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