牧場概要

イレネー号について

最終更新日 2017/03/13
十勝ばん馬の父 イレネー号

十勝牧場創立年である明治43年の11月にフランスから2,400円で当場に導入されたペルシュロン種の種雄馬3頭のうちの1頭が十勝地域の重種系馬の改良に大きな功績を残した「イレネー号」でした。
この馬は明治41年3月24日にフランス・オルヌ県(ノルマンディ地域)に産まれ、昭和3年5月22日に20才で死亡するまでの当場での18年間に1,074頭の種雌馬と配合を行い、579頭の産駒を生産、そのうちの196頭、またその直系の子孫363頭を合わせると、実に559頭が種雄馬として全道に分布し、5万頭あまりの種雌馬と配合を行っているのです。
こうした偉大な功績を讃えるべく、全国にも例を見ない種馬の銅像として十勝畜産組合が昭和5年8月に十勝公会堂前(帯広市西5条南8丁目)に建立しています。この除幕式には「来賓800人余り、一般観衆2,000人余りが集まった」と十勝毎日新聞は伝えています。
十勝牧場内にも大正、昭和初期の産駒成績優秀な種牡馬を納骨する馬魂碑が昭和2年に建立されていますが、イレネー号を意識して設置されたものであることは明白です。
このイレネー号の銅像は、第二次世界大戦の最中(昭和18年)に金属回収で姿を消してしまいましたが、昭和39年に十勝ばんえい競馬場の入口に再度建立されています。また昭和44年に、ばんえい競馬のデビュー年の2才(明3才)馬が競う重賞レースとして「イレネー記念」が創設されています。

十勝牧場の馬魂碑