開発の背景
採草地の牧草収量は、通常、造成後2年目、3年目と増加しますが、3年目をピークに徐々に低下していきます。当場では採草地面積が約980haと広大であり、定期的に装置を更新していく必要があります。
草地の更新方法には「完全草地更新」と「簡易草地更新」があります。
完全草地更新は、更新の完成度が高いというメリットがある一方、粗飼料生産の中断や時間やコストが多くかかるというデメリットがあります。
また、簡易更新は、既存牧草も活用して草地更新が行えるというメリットはあるが、作業機が高価なため、購入が難しいというデメリットがあります。
そこで、私たちは「効率化・コスト低減対策提案支援対策 SECプロジェクト21」というプロジェクトの一環として、短期間で効率よく草地を簡易更新するためのロータリードリルを開発しました。
作成工程
①使用することができない廃品のグレンドリルとロータリーハローを用意します。
②グレンドリルのけん引アームを切断し、ロータリーハローのPTOシャフトとロータリーナイフを取り外します。
③グレンドリルとロータリーハローそれぞれを加工します。
④両者を合体させれば完成です。
1.PTOの駆動力で刃を回転させるので、硬い草地や株の切断が容易
2.リフトアップ機能を持たせることにより、枕地での方向転換がスムーズになる
3.種子も肥料もまくことができるので、状況に応じたほ場管理が可能
期待される効果
草地更新されていない草地への播種、施肥により収量の増加、裸地・雑草の減少が期待できる
完全更新に比べて更新期間の短縮、燃料費等大幅な経費の削減を図ることができる
PTOの駆動力で草地に切れ目を入れるので、通気性改善効果が得られる