独立行政法人
家畜改良センター岡崎牧場

家畜改良の推進、優良な種畜や飼料作物種苗の生産・供給等を通じて、
我が国の畜産の発展と国民の豊かな食生活に貢献することを使命としています。

平成19年度交流促進会及び第2回研究講座の概要

中部日本養鶏研究会(会長:独立行政法人家畜改良センター岡崎牧場長、米田勝紀)は、平成20年3月4日、愛知県岡崎市の岡崎市竜美丘会館で交流促進会と研究講座を開催しました。

冒頭の挨拶で米田会長は、「最近の畜産を巡る情勢は、平成の畜産危機と言われており、この飼料高騰を乗り越えていくことが最重要課題となっている。従来、畜産業が利用していた飼料原料をバイオエタノールが横取りする動き、そしてまた、投機資金の流入によって一番豊作なのにトウモロコシ価格が上昇を続けるという理不尽さがある。午後の講演は、このような厳しい情勢に沿った非常に重要なテーマであり、時宜にかなった演題となっている。」と述べました。

午前は交流促進会、午後は研究講座を行い、活発な質疑応答が行われ、関心の高さが伺われました。
平成19年度写真①開催中の様子1(3/4)の画像
平成19年度写真②開催中の様子2(3/4)の画像
平成19年度写真③開催中の様子3(3/4)の画像

交流促進会(10:30~12:00)

  • ニワトリに対するモウソウチクサイレージ給与の影響
    松井繁幸氏(静岡県畜産技術研究所中小家畜研究センター)
  • アロウカナ交雑鶏の新系統造成について
    浅野智宏氏(岐阜県畜産研究所養鶏研究部)
  • 誘導換羽の処理方法の違いが産卵性と卵質に及ぼす影響
    箕浦正人氏(愛知県農業総合試験場畜産研究部家きんグループ)
  • 温州みかん粕の粒度が卵黄中β-クリプトキサンチン含量等へ及ぼす影響
    佐々木健二氏(三重県科学技術振興センター畜産研究部)
  • 改良の基礎となる鶏データベースシステムについて
    奥村友美氏(家畜改良センター岡崎牧場)

研究講座(13:30~16:40)

飼料としての食品残渣評価試験報告について
平成19年度写真④鎌田壽彦氏(東京農工大学)(3/4)の画像

鎌田壽彦教授
(東京農工大学農学部生物生産学科畜産学研究室)
食品残渣加工品が産卵の成績を損なうことなく、どの程度まで市販配合飼料と代替できるかを検討し、その結果について発表されました。その中で、「市販飼料を食品残渣加工品で置き換えた時の鶏の状態、産卵成績および卵質を測定するとともに、卵の官能検査についても実施したところ、食品残渣加工品で40%まで置き換えても品質的に問題の無い卵が生産できる。しかし、30%又は40%の場合、生産性の低下がみられ、本試験で利用した食品残渣加工品の場合、市販飼料と置き換えて生産現場で利用できるのは20%までである。」と述べられた。
わら専用稲を利用した籾付米給与のと取り組み-現状と今後の展開-
平成19年度写真⑤後藤徳彦氏(岐阜)(3/4)の画像

後藤徳彦専務理事
(岐阜養鶏農業協同組合)
飼料原料の高騰を受け国内の飼料原料開拓が求められているなか、稲わら生産で廃棄していた子実部分に着目し、わら専用稲の籾米を養鶏飼料に活用した結果を発表されました。その中で、「籾米を10%配合しても生産性への影響は全くみられず、また、筋胃では完全に籾米が消化されており生理的にも問題ないことが確認でき、籾米をそのまま給与する飼料米の活用は養鶏飼料の穀物原料として十分に活用できる。」と述べられ、また、発酵処理でも同様に良好な成果が得られたことを紹介された。
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