令和3年度鶏改良推進中央協議会
独立行政法人家畜改良センター岡崎牧場は、令和3年10月29日、オンラインで令和3年度鶏改良推進中央協議会を開催しました(協賛:大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 基礎生物学研究所)。
鶏改良推進中央協議会
冒頭の挨拶で、林場長は「家畜改良センターでは、現場のニーズを踏まえた育種改良を進め、国産鶏の利活用を推進し、情報発信や関係者との意見交換にも取り組む。将来を見据えた国産鶏種の利用促進の方策や育種改良の方向性、持続可能な養鶏産業に貢献するにあたっての技術的課題について、皆様のご意見を聞き、連携して取り組みたい。また、今年も渡り鳥の飛来シーズンを迎え、防疫措置の再徹底の通知が発出された。関係者一丸となり、意識を高め取り組みたい」と述べました。
 中央情勢報告と鶏改良に関する取り組み状況
農林水産省畜産局畜産振興課の河内野慎也課長補佐から中央情勢として、養鶏をめぐる情勢について報告がありました。また、鶏改良に関する取り組み状況として、育種改良の現状と今後の方向性、地鶏等の組合せ検定について、都道府県が実施する改良増殖の取り組み状況、更に、都道府県が実施する調査試験実施状況について岡崎牧場と兵庫牧場が報告しました。その後、肉用鶏分科会からの成果報告として、飼養管理分科会から三重県畜産研究所中小家畜研究課の大矢康成氏より各県の生産性向上への取り組みや飼養管理技術等についての報告及び育種開発分科会から宮崎県畜産試験場川南支場養鶏科の堀之内正次郎氏より各県のゲノム育種への取り組み状況等について報告がありました。
 始原生殖細胞(PGCs)を利用した遺伝資源保存技術とゲノム編集への応用
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 畜産研究部門 食肉用家畜研究領域 食肉用家畜飼養技術グループの田上貴寛 上級研究員から、PGCsによる遺伝資源保存技術開発の紹介や保存の重要性及びCRISPR/Cas9によるゲノム編集技術について紹介されました。
 動物福祉の現状と研究紹介
国立大学法人東京農工大学大学院 農学研究院の新村毅 准教授からバタリーケージの福祉的な問題点やアニマルウェルフェアに対する世界の動き及び日本の今後の展望について紹介されました。
 国産鶏種の近交状況等について
独立行政法人家畜改良センター兵庫牧場の川原場長から、各県が保有している系統の育種改良または維持管理における課題及び保有系統の近交状況についてのアンケート結果を報告しました。
 海外の事例紹介
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 畜産研究部門 食肉用家畜研究領域 食肉用家畜モデル化グループの福澤陽生 研究員から品質保証制度の事例紹介として、フランスの公的認証制度であるラベル・ルージュについて紹介されました。
 IBBPセンターにおける生物遺伝資源のバックアップ保存
大学共同利用機関法人自然科学研究機構基礎生物学研究所の成瀬清 特任教授からIBBPセンターの概要と保管施設の利用及び申請方法について紹介されました。
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