初回種付けや初産分娩までに事故や疾病等で死亡してしまう子牛を減らすことは、後継牛を確保することで重要です。また、子牛の死亡率の低下は、酪農家の経営改善につながります。
子牛生存能力とは、雌子牛について生後3~365日齢以内に生存していたかどうかを牛個体識別情報を活用して死亡記録を観測値として用いて育種価を推定します。子牛の死亡の主な原因(疾病)は月齢によって異なりますが、子牛生存能力は365日齢以内の生存能力を総合的に表した形質であり、評価値は泌乳持続性や在群能力と同様に標準化育種価(SBV)で表示され、値が高いほど生存能力に優れています。なお、365日齢以内に屠畜された子牛は評価から除外しています。
2004年以降に生まれた雌牛で、以下の条件を満たす記録
a.本牛がホルスタイン種であること
b.父牛、母牛および母方祖父が明らかであること
c.母牛が登録牛であること
d.母牛が初産~5産分娩までの記録であること
e.在胎期間が250~310日であること
f.単子分娩記録であること *受精卵移植でない
g.同一管理グループ(牛群・生年)に同期牛が5頭以上存在すること
y=hy+BMY+PA+u+e
ただし、
| y | 3~365日齢以内の生存記録(死亡(0%)又は生存(100%)) |
| hy | 牛群・生年(変量効果) |
| BMY | 地域(北海道と都府県)・生年・月の効果(母数効果) |
| PA | 母牛の産次・分娩時月齢(母数効果) |
| u | 個体の育種価(変量効果) |
| e | 残差(変量効果) |
| 遺伝率 | 0.007 |
2025-2月より採用
5年ごとに移動するステップワイズ方式を採用しており、2015年生まれの雌牛の評価成績を基準値(ゼロ)として表示しています。