家畜改良

評価形質:疾病抵抗性

最終更新日 2025/08/05

 

 評価される形質は、「乳房炎」、「胎盤停滞」、「産褥熱」、「第四胃変位」、「乳熱」および「ケトーシス」の6つの疾病抵抗性ならびにそれら形質から計算される「疾病抵抗性指数」で、7道県(北海道、福島県、千葉県、長野県、鳥取県、岡山県および熊本県)の農業共済組合(NOSAI)より提供された診療データならびに家畜改良センターの新冠牧場・岩手牧場の診療データに牛群検定情報を結合した記録を用います。
 各疾病抵抗性の評価値は泌乳持続性や在群能力と同様に標準化育種価(SBV)で表示され、値が高いほど疾病に対する抵抗性が高いことを示します。
 6つの疾病抵抗性から計算される疾病抵抗性指数は、それらの疾病に対する抵抗性を総合的に効率よく改良するための指数であり、数値が高いほど抵抗性が高いこと示します。

データの範囲

 2004年以降に生まれた雌牛で、以下の条件を満たすもの

a.本牛の品種がホルスタイン種

b.父牛および母方祖父が明らかであること

c.疾病毎に定めた分娩後日数内(乳房炎:150日以内、胎盤停滞:30日以内、産褥熱(※子宮炎、子宮内膜炎および子宮蓄膿症を含む):30日以内、第四胃変位:60日以内、乳熱:30日以内、ケトーシス:60日以内)に発症した場合を発症とし、それ以外は未発症と定義

d.初産~5産分娩までの記録であること ※乳熱のみ2~5産記録
ただし、各産次の分娩月齢は、初産18~35ヵ月齢、2産30~55ヵ月齢、3産42~75ヵ月齢、4産54~90ヵ月齢、5産66~105ヵ月齢

e.同一管理グループ(牛群・分娩年)に同期牛が2頭以上存在すること

評価方法
単形質反復アニマルモデル

 y=hy+BYM+PA+pe+ue

 ただし、

y 発症(0) 、未発症(100)
hy 牛群・分娩年(変量効果)
BYM 地域(北海道または都府県)・分娩年月(母数効果)
PA 産次・分娩月齢(母数効果)
pe 恒久的環境効果(変量効果)
u 個体の育種価(変量効果)
e 残差(変量効果)
遺伝率
乳房炎 0.061
胎盤停滞 0.009
産褥熱 0.009
第四胃変位 0.011
乳熱 0.016
ケトーシス 0.008

 2025-8月より採用

遺伝ベース

 5年ごとに移動するステップワイズ方式を採用しており、2015年生まれの雌牛の評価成績を基準値(ゼロ)として表示しています。

疾病抵抗性指数

   6つの形質を用いて下記の計算式により疾病抵抗性指数を計算します。