乳汁中の体細胞数は、多くの場合1ml 当たりの細胞数によって表示されますが、値をそのまま評価に利用することができないことから、体細胞数を対数変換した上で計算に用い、形質名を「体細胞スコア」としています。体細胞スコアの遺伝率は10%以下と非常に低く、補助的な情報として利用することが好ましい形質です。また、乳房炎に深く関係するこの形質は、数字が小さい方が「良い牛」となるため、評価値の大小・順位が乳量等とは逆になる点に注意が必要です。
体細胞数 X(千個/ml)= Log2(X/100)+3
| 体細胞数(個/ml) | 評価に用いる体細胞スコア |
| 12,500 | 0.00 |
| 25,000 | 1.00 |
| 50,000 | 2.00 |
| 100,000 | 3.00 |
| 200,000 | 4.00 |
| 400,000 | 5.00 |
| 800,000 | 6.00 |
| 1,600,000 | 7.00 |
| 3,200,000 | 8.00 |
| 6,400,000 | 9.00 |
| 12,800,000 | 10.00 |
牛群検定記録のうち、以下の条件を満たす記録。
a. ホルスタイン種
b. 父牛が明らか
c. 検定の種類は立会検定(A4法、AT法(2回搾乳、3回搾乳※)又はAZ法)又は自動検定
d. 初産の検定日記録
ただし、初産時の記録は、分娩月齢が18~35ヶ月齢であること
e. 同一管理グループ(牛群・検定日・搾乳回数)に同期記録が存在する
f. cおよびdを満たす記録が62日以内に1つ以上、305日以内に3つ以上あること
※交互性を保ったAT法(3回搾乳)
y=HTDT+A+pe+u+at+b×exp(-0.05t)+e
ただし、
| y | 対数変換後の初産体細胞数(スコア) |
| HTDT | 牛群、検定日、搾乳回数(飼養管理グループ)の効果(母数効果) |
| A | 分娩時月齢の効果(母数効果) |
| pe | 恒久的環境効果(変量効果) |
| u | 個体の育種価(変量効果) |
| t | 搾乳日数 |
| aおよびb | Wilminkの泌乳曲線で用いる定数 |
| e | 残差(変量効果) |
| 遺伝率 | 0.100 |
2022-12月より採用
5年ごとに移動するステップワイズ方式を採用し、基準値はゼロではなくベース年生まれの雌牛の体細胞スコア平均値としています。現在、国内雌牛及び海外種雄牛については、2020年12月の評価から、国内種雄牛については2021年2月の評価から、遺伝ベースを2015年生まれの雌牛の評価成績を基準値(2.04)として表示しています。