牛舎エリアへの野生動物の侵入防止柵について
最終更新日 2024/03/21

 野生動物の侵入防止対策として、哺育牛舎の周囲を高さ85cmの柵で囲い、その柵の上部(高さ1m)に電気牧柵を取り入れることで、一定の効果が得られました。
 イノシシは1m程、シカは1.5m程の高さを跳び越えることができると言われており、1mの柵では侵入を防止することは難しいと考えられます。このため、柵の上部に電気牧柵を張り、柵外から見える範囲に餌となるものを置かないことなどの工夫を行いました。野生動物にとっても、高いところを跳び越える時に怪我をするリスクがあるため、見える範囲に餌となるようなものがなければ、1m程度の高さの柵でも侵入しようとする個体はいませんでした。
 一般的に鳥獣害対策では高い柵の設置が推奨されていますが、費用や設置する労力の確保が困難なために設置をためらっている場合には、1m程度の簡易な柵であっても侵入防止効果があるので、検討してみてはいかがでしょうか。

柵の概要

 

 牛舎内や周辺に動感センサーカメラ及び赤外線カメラを設置し、野生動物の侵入経路や生息の有無を確認し、侵入防止対策を行いました。牛舎内ではタヌキやネコ等の侵入が確認されたことから、侵入経路となった隙間にネット等を張りました。また、牛舎の柵外ではシカがうろついている姿が撮影され、糞も確認されましたが、侵入防止柵の内側への侵入は確認されませんでした。 
 また、シカの出現時にアラーム音が鳴る映像と音声が記録されましたが、シカがアラーム音に反応して逃げる様子は観察されませんでした。

 

動感センサーカメラで撮影されたシカの様子(侵入防止柵の外側)
動感センサーカメラで撮影されたネコの様子(牛舎内)