家畜改良

高張力線設置マニュアル(宮崎牧場モデル) 第1章 ①~④

最終更新日 2024/02/08

 

高張力線を使った電気牧柵設置システム - 宮崎牧場モデル

 高張力線の取り扱いについてちょっとしたコツを動画で準備しました。
 テキストとして印刷する場合は、PDF版を活用ください。

第一章 高張力線を使った電気牧柵システムの設置手順

 
① 放牧予定地の 面積や外周 の測定

 放牧予定地の面積と周囲の距離(外周を測定します(写真1)。面積や外周は、実際に測る方法以外に、航空写真や衛星画像などを使用することでも算出できます(図2)。

写真1 測定の様子

 電気牧柵設置予定の周辺は草刈りを行い、メジャーにて計測している。

図2 航空写真から外周と面積を算出

② 設置図の作成

図3 設置図例

 電気牧柵の設計図は、測定結果を基に支柱やゲートの設置場所を決めて作成します(図3) 。設置図の作成時に航空写真や衛星画像によって作成した場合は、土地の傾斜等を考慮しないため資材が不足する可能性があります。そのため杭やワイヤーは多めに準備しておくとよいでしょう。
 支柱の設置場所については、次のようなポイントがあげられます。

<支柱設置のポイント1 > 可能な限り少ない本数で!

 支柱は、牧柵を張る方向が変わる場所のコーナーポストとして、また人や牛、そして作業機械が出入りするためのゲートの門柱として設置します(図3)。支柱が多いと設置作業の労力とコストがかかるため、支柱と支柱の間隔は100mを上限にできるだけ長く設けて、支柱の設置本数を少なくします(図4)。
 また、 放牧地を広く確保しようとして、支柱を敷地の境界線近くに設置すると草刈り等の管理が難しくなります。定期的に草刈りを実施しないと生い茂った草がワイヤーに接触し漏電する恐れがあり、電気牧柵の効果が大きく損なわれます。そのため、支柱の位置は敷地の外周から 1 m内側に選定します。

図4 支柱の本数について

<支柱設置のポイント2>斜面に沿った設置を!

 牧柵の設置場所に段差がある場合は 凹部と凸部に支柱を設置し、電牧線の高さが地面から一定になるよう斜面に沿って設置します(図5)。

図5 斜面に沿って設定する

<支柱設置のポイント3> コーナーの角度を緩くし牛の逃げ場所を!

 放牧地のコーナーは緩やかに設定することで 、牛が追い詰められた時に、電牧線に沿って逃げられるようにします (図6)。もし、鋭角の形状にした場合、牛は逃げ道をなくし、慌てふためいて脱柵または 怪我をする危険性があります。また、支柱を鋭角に設置する場合は、コーナーポストへ張力が大きくなるため支柱が抜ける原因にもなります。

図6 コーナーは緩い角度にする

③ 支柱の設置方法

 支柱を設置する場所に、深さ50 ㎝程度の穴を掘り(写真2) 、垂直に支柱を差し込みます(写真3)。ゲートとなる門柱も同時に設置します。できるだけ高さをそろえて打ち込み、見た目を整えます。 なお、設置する前に、支柱、バトン、杭を設置予定の ワイヤーを張る高さで目印をつけておくと、後々の作業が行いやすくなります。
 宮崎牧場では、強度が高く、長年使用できる防腐剤が浸透処理された木製丸太直径12 ㎝×長さ2mを使用しています。

写真2 穴を掘る様子
写真3 支柱を差し込む様子

<ポイント>枕木を設置する

写真14 写真枕木設置の様子( 黒線はワイヤー)

 ワイヤーの強い張力で支柱が傾くのを防ぐために、支柱の地際に枕木を設置します (写真4)。
 枕木は写真4のように支柱 およびワイヤーと垂直に交差するように埋設します。これにより強度が増します。
 枕木は60cmほどの長さがあり、主に放牧地の角になる支柱に使用します。

使用した枕木

④ 碍子の取り付け

 碍子は支柱とワイヤーの間を絶縁するために用いる器具です。碍子はワイヤーを張る高さに取り付けます(写真5)。 一般的なワイヤーの高さは、3段張りが地面から50㎝、80㎝、110㎝(写真6)、2段張りが地面から 60 ㎝、90㎝となります。

写真5 碍子取り付けの様子
写真6 碍子取り付け後

<ポイント1>  碍子が必要な理由

 木製の支柱は、電気を通します。そのため、ワイヤーを直接丸太に取り付けると漏電します。そこで 絶縁体である碍子を使用することで、漏電しないようにします(図7)。

図7 碍子の必要性

<ポイント2> 碍子(がいし)の取り付け方

 初めに、支柱で碍子の取り付けを予定している高さにワイヤーを固定します。その後、固定したワイヤーに碍子を取り付けます。
 ワイヤーは非常に硬く危険なため、必ず手袋を装着しましょう。

 

1 ワイヤーを1巻(1m)ほどで切ります。

2 A側のワイヤーの先端(赤色)が上になるように小さな輪を作り、ワイヤー全体で支柱を囲みます。

3 Bの先を、小さな輪の上から通し、手前まで引っ張ります。

4 軽く引いて輪を小さくしてから、Bを引っ張りつつ、AをBの下にくぐらせます。

5 AをBの反時計周りの方向(赤矢印)に3~4回ほど巻き付けます。この時、Bを引っ張りながらすると、巻きやすくなります。

6 AをBに対して垂直に位置させて 、さらに拳1つ分あけて、直角に曲げます。そしてAをハンドルにして数回回し、余分なワイヤーを切ります。

7 4で残した輪は緩衝材の役割があります。次はBに碍子を取り付けます 。

8 握り拳1つ分の間をあけ、Bのワイヤー碍子の穴に通します。

9 碍子の筋に沿ってワイヤーを折り曲げます。4回ほどBをワイヤーに巻き付け、余ったワイヤーを6と同様に切断します。

10 完成です。

11 上から見た碍子です。

12 横から見た碍子です

13 このように両端をワイヤーで引っ張り合っています。

取り付け手順を動画で見る

 下のリンクをクリックすると手順を動画見ることができます
 (家畜改良センターYouTubeチャンネルにリンク)
 

 

 

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